専修学校とは

専修学校は、昭和51年に新しい学校制度として創設されました。

学校教育法の中で専修学校は、「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図る」ことを目的とする
学校であるとされ、実践的な職業教育、専門的な技術教育を行う教育機関として、多岐にわたる分野でスペシャリストを育成しています。
専修学校には、入学資格の違いにより、3つの課程(専門課程・高等課程・一般課程)があり、
専修学校のうち専門課程を設置する専修学校を「専門学校」と呼びます。

※専修学校は、授業時数・教員数や施設などの一定の基準を満たしている場合に、都道府県知事の認可を受けて設置されます。

専門課程(専門学校)
入学資格…高等学校卒業者、3年制の高等専修学校卒業者

専門学校は全国で約2,700校あり、約55万人が学んでいます。

社会のニーズに即応した柔軟かつ実用的なカリキュラムによって、より高度な専門的技術・技能の習得を目指す教育機関であり、今や大学に次ぐ高等教育機関として重要な役割を担っています。近年は大学や短期大学、高等専門学校を卒業してから専門学校に入学する学生も多く、中退者、社会人、フリーターなどを経た既卒者として専門学校に入学する方もいます。また、専門課程修了者の社会的地位の向上を図るため、修了時には学習時間・内容等に応じて「専門士」「高度専門士」という称号が付与されたり、大学への編入学、さらには大学院への入学も可能となっています。

専門士

以下の要件を満たした課程で、文部科学大臣が認めた専門学校の修了者に対しては、「専門士」の称号が付与されています。
❶ 修業年限が2年以上
❷ 総授業時数が1,700時間(62単位)以上
❸ 試験等により成績評価を行い、その評価に基づいて課程修了の認定を行っていること
なお、現在は修業年限2年以上の学科のほとんどが、「専門士」の称号が付与される課程として認められており、「専門士」の称号が付与された者は、大学への編入学の資格が与えられています。

高度専門士

以下の要件を満たした課程で、文部科学大臣が認めた専門学校の修了者に対しては、「高度専門士」の称号が付与されています。
❶ 修業年限が4年以上
❷ 総授業時数が3,400時間(124単位)以上
❸ 体系的に教育課程が編成されていること
❹ 試験等により成績評価を行い,その評価に基づいて課程修了の認定を行っていること
なお、現在は修業年限4年以上の学科のうちの約9割以上の学科が、「高度専門士」の称号が付与される課程として認められています。「高度専門士」の称号が付与された者は、大学卒業者と同等以上の学力があると認められる者として、大学院の入学資格が与えられています。

高等課程(高等専修学校)
入学資格…中学校卒業者

専修学校のうち高等課程を設置する専修学校を高等専修学校と呼びます。

高等専修学校は、約400校あり、約3.5万人が学んでいます。技能や実務面の教育に重点をおいて、社会に出てすぐに役立つ教育を行っており、高等学校と並ぶ中等教育機関として位置づけられています。高等専修学校のうち、以下の要件を満たしたもので、文部科学大臣が指定した学科の修了者は、高等学校卒業者と同様に大学入学資格が得られることになっています。修業年限が3年以上の高等専修学校は、その多くが文部科学大臣の指定を受けています。また、3年制の高等専修学校を卒業すると、専門学校へ進学することができます。このように、高等専修学校を卒業してからも、進学の道は広がっています。
❶ 修業年限が3年以上
❷ 総授業時数が2,590時間(74単位)以上 等

大学入学資格付与指定校制度

「技能連携制度」と卒業後の進路

高等学校の定時制または通信制課程に在学する生徒が、技能教育のための一定の要件を備えた施設で教育を受けた場合、その学習を高等学校における科目の履修とみなす制度として、「技能連携制度」があります。現在、高等専修学校の半数近くが、高等学校との技能連携を行っています。
これらの学校では、高等専修学校と高等学校のカリキュラムを同時に効率的に学び、卒業時には二つの学校の卒業資格を得ることができます。

国の就学支援金の対象について

高等専修学校は私立高校と同様に国の就学支援金の対象であり、「私立高校生等就学支援推進校」として指定された府内の高等専修学校は、授業料支援補助金の対象校にもなっています。

一般課程
入学資格…特になし

入学資格を限定せずに、誰でも自由に専門性を身につけられます。

専修学校一般課程は、入学資格として中学校卒業や高等学校卒業などの限定をしていません。誰でも自由に、専門的な知識・技術を学べるところに特色があります。和裁・洋裁や、美術、調理など多種多様な分野があります。

職業実践専門課程

平成26年4月から、文部科学大臣認定の
「職業実践専門課程」がスタートしました。

専門学校のうち、企業等と密接に連携して、最新の実務の知識・技術・技能を身につけられる実践的な職業教育に取り組み、以下の条件を満たした学科を文部科学大臣が「職業実践専門課程」として認定します。

「職業実践専門課程」の特徴

「職業実践専門課程」における教育活動の流れのイメージ

「職業実践専門課程」においては、職業に必要な実践的かつ専門的な能力を育成するため、特に職業に関連した企業・業界団体等その他の関係機関との密接な連携による、教育課程の編成、演習・実習等の実施、教員の研修等の実施、学校評価の実施等の一連の教育活動を通じ、実践的な職業教育の質の保証・向上に組織的に取り組みます。
また、大阪の専門学校は、職業実践専門課程の制度創設より早くから「大阪発・産学接続コースの取組」を開始していたことによって、全国の中でも高い認定校数を誇っています。

専門学校だから実現できる早期就職とキャリア形成

2年制の専門学校と4年制大学、
これからの時代を生き抜く力が身につき、
生かせるのはどちらの進路なのでしょうか。

専門学校と大学、学費が安いのはどちら?
注目すべきは就労開始年齢。

平均的な大学と専門学校の学費を比べると、約2倍の開きがあります。この差が生まれるのは大学は原則4年間通学するのに比べ、専門学校は2年間通うことが多いためです。また、意味合いとして大きいのは、専門学校生は大学生より2年早く働き始めるということ。同年齢の人が大学3‒4年生として学費を払い通っている間の2年間で専門学校生は就職し収入を得ることができます。この2年間の収支の差に加え、例えば30歳になったとき社会人10年キャリアか8年なのかで経験値に差が出ます。めざす職業を見いだし、専門学校で早期に知識、技能を習得することで早期にキャリアプランを形成することができます。2年早く就職して収入を得られることは自身のキャリアを考えるうえで、進路選択の1つなのではないでしょうか。

大学と専門学校 比較の POINT

卒業までにかかる学費は2年間分、大学生よりも安い。

大学生と比較し、2年間早くキャリア形成ができる。

大学生と比較し30歳の時点で2年間の賃金差が
うまれる可能性がある。